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W:15  D:3  H:4 大理石 1982年

大理石 イルカ

 大阪に居たころ、梅田の露店で売られていた文鎮用の大理石を買って来ては、
小さなイルカをつくっていました。
小さいものなので、ノミなどは使わず荒取りはディスクグラインダーにレジノイド砥石
を取り付け、焼きつきに注意して削りながら形づくっていきます。

 細かい成形は棒ヤスリを使い、表面の研磨はサンドペーパーの250番から1500番
まで順おってかけていきます。
半透明な石の中に雲のように白い模様が現れるのですが、磨くまではどこにどんな
状態で出るかわからず、それも楽しみのひとつになります。

 和歌山県に太地という鯨漁で有名な漁村があります。
そこに水族館があり、シャチ、イルカが飼育されていました。
地方の水族館や動物園はお客さんが少なく、係員の目も届かないせいかどこか
のんびりと していて、それが動物とのスキンシップを可能にしてくれます。
イケスで泳いでいるバンドウイルカにはじめて触れ、口を開いたついでにその中に
手を入れてみて感動しました。魚にはない体温を感じたのです。
哺乳類だから当たり前ではあるのですが、温血動物であることを手の先から
まざまざと実感した出来事でした。