石膏原型
模刻 ピエタ
ミケランジェロのピエタ像をレリーフで模刻しました。
ピエタとは「悲哀」 「慈悲」などの意味で、イエス・キリストの亡骸を抱く聖母マリアの
姿で表されます。
ミケランジェロは、生涯に4つのピエタをつくったと云われていますが、このレリーフの
基となったサンピエトロ大聖堂のピエタは25歳の時の作品です。
晩年のピエタに較べると、瑞々しい若さと石さへも溶かしてしまいそうな技術力を感じ
させます。
しかし、どんな名作も色々言われるもので、このミケランジェロのピエタも、キリス ト
に較べマリアが若すぎるとか大きすぎるとの批判を受けていますがミケランジェロの
美的解釈でデフォルメしたことは疑いようがありません。
批評はともかくとして、ミケランジェロのこの大理石彫刻は二度、傷つけられる災難に
遭っています。
1736年には、左手の四本の指を折られ、1972年には鼻梁を折られてしまい、その度に
修正されましたが、今はサンピエトロ寺院の中で防弾ガラスに守られローマ教皇並み
の扱いを受けています。