肖像 檀一雄
「火宅の人」などで知られる、小説家、詩人 檀一雄の
肖像レリーフ。
この年の四月、久々故郷の柳川を巡っていた時、
ふとつくってみようと思い立った。
父親から檀一雄氏の話を聞かされていた自分には、身近な
小説家としていつも心のどこかに在り、その気持ちがレリーフ
制作を思い立たせた。
氏はそうとうのヘビースモーカーだったようで、そんな写真も多く、
タバコの煙がご本人の象徴的イメージのようにも感じられる。
参考にした写真はタバコを吸われていない写真でしたが、
構図的に何か寂しく、それを持つ手を付け加えた。
W:55 H:70 樹脂 2017年
檀一雄氏の本家が柳川にあって少年から青年期の
一時期をここで過ごし、そのころ私の祖父や父と親交が
あったらしい。
祖父とは親子ほどの年齢も違っているが、氏のエッセイ集
の中で、「ウナギ掻き名人の丑ノ助さん」と紹介されている。
柳川は鰻のかば焼きが美味しく、その食材となるウナギ獲り
に一雄少年を連れていったのだろう。