彫刻の部屋 TOP

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 大相撲に小錦という最重量の力士がいました。
幕内に上がって来た時は、対戦相手の日本人力士をなぎ倒し、体の大きさだけで相撲の世界を征服しそうな
勢いでした。事実、小錦は外国人初の大関となり、さらに体が大きくなるとともにユニークなキャラクターで人気
力士となりました。

世界にはいろんなスポーツがあり、その選手たちの肉体は発達した筋肉とムダを削ぎ落とした体形となり、全身的な
バランスの良さは見ているだけで感動を覚えます。
それは戦うため、競うための機能に応じた体形で、ある意味で野生動物が持つ形に通じるものと思えます。

その点、力士は一見特異な体形です。しかも日本の伝統美を頭の上と腰に捲いて、見慣れない外国人にとっては
限りなく可笑しな姿に映ることだと思います。
日本文化の重みとさらに増加していく体重にバランスを失った時、小錦の苦難が始まってしまいました。

実物のおおよそ三分の二ほどの縮尺ですが、鉄製のアングルが粘土の重量に負けて曲がり、いろんな方向から
支えを入れて何とか完成させた作品です。

*粘 土

大相撲 

相撲 

H:130  W:80  D:80 樹脂  1997年

力士(小錦)