Symphony
W:80 D:80 H:45
1995年
石膏・彩色
台の上でトグロを巻くリアルなニシキヘビをつくりました。
エスキースで理想?のトグロを決め、ほとんど芯棒らしきものも使わず、油土の自立性だけで
制作を進めました。
粘土の段階を終え、石膏にしてからウロコを彫っていったのですが、根気の要るかなり大変な
作業となりました。
感覚だけでウロコを描いていくといつの間にか少しずつ狂いはじめ、気がついた時はありえない
ウロコの形になり、辻褄が合わなくなって来ます。
結局、幾何学を使って製図するように描いていくしかありませんでした。
まず、ヘビの背中に正中線を引き、等間隔で目盛りをつけその正中線に対する垂直線を引きます。
つまり、ヘビの体を等間隔で輪切りにする線を描き、さらにその垂直線に目盛りをつけていきます。
後は垂直線につけた目盛りをたよりに斜めの線を引き、ひし形のウロコの下図が完成です。
そこから永遠とつづく彫刻刀での彫り込み作業を行い、形が出来上がった段階でアクリル絵の具
での彩色にかかりました。
銀座の画廊でグループ展を行い、そこに出品しました。
毎朝、開場まえに掃除をしてくれる画廊の女性が、怖くて近づけないと悩みを打ち明けてくれました。