R:12   Electric Casting 1984年

白 夜


静謐な女性像をテーマにメダルをつくることにしました。
最初からエジプト彫刻のようにシンメトリーにして象徴的な形にしようとする気持ちがあった
ので、後は女性像にどんなポーズをさせるかが問題でした。
シンメトリーにするにも立ちポーズもあれば座りポーズもあります。
丸い円の中に立ちポーズを入れた場合、人物が小さくなって余白ばかりが大きくなり、
その辺りの理由から座りポーズにしました。
女性の腕を上げて曲げた肘を横に伸ばしたのは、ヤジロベエの形を取ってバランスを意識
させ、頭からつま先への縦のラインと合わせて十字の形を持たせたかったからです。

案外苦労したのは髪の毛の処理で、ヘアースタイルだけで沢山のデッサンを描きましたが
変に髪型に拘ると全体のバランスを壊すだけで、結局背景に溶け込むような何の変哲もない
ヘアースタイルに落ち着きました。

裏面はおもて面と違って動的なものをデッサンし、背景は意味不明な空間を表現したかった
ので銀紙を皺くちゃにしてそれを伸ばしたものを型取りし、マチエールとして使いました。

この作品は、フランスで行われた国際的なメダルコンペに出品する為につくったのですが、
優秀賞をゲットしました。


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(* 石膏)

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